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1981年10月に放送開始のドラマ『北の国から』。
フジテレビの毎週金曜22時からの放映で、全24話。
その後、スペシャル版が8作品放送された。
『北の国から '83 冬』
『北の国から '84 夏』
『北の国から '87 初恋』
『北の国から '89 帰郷』
『北の国から '92 巣立ち』
『北の国から '95 秘密』
『北の国から '98 時代』
『北の国から 2002 遺言』
このドラマの影響で、富良野は観光名所にもなってます。
その富良野に「北の国から資料館」という場所がある。
自分もだいぶ前に一度、行った事があるんだけど、結構最近は色んなグッズも出てるとか。
で、「北の国からかるた」っていうグッズもあったらしい!
興味津々で検索してみたんだけど、どうも思っていたモノと違う…。
ほのぼのイラストの「癒し系」「心あったか系」…。
そんなんじゃないよぉ~~!(田中邦衛調)
『北の国から』は偏屈なオッサンがいっぱい出てくる、
男くせえドラマなのだ!単なる「家族愛の感動ドラマ」ではないのだ!
ってことで『北の国から』の名セリフをかるたにしてみた。
こんなかるたが売ってたら…、欲しい!
とにかく名セリフや名シーンの多い作品ゆえに、
字札の選定が非常~~~~に(田中邦衛調)難しかったです。
あのセリフもこのセリフもチョイスしたかった!
ってことでいずれ第2弾もぜひ書いてみたいと思います。
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<あ>「あいつがオラに…何、言いたかったか。
信じてたオラに…何、言いたかったか。」
(『TV 15話』)
「北の国からかるた」のトップバッターは、いきなり笠松杵次!(正吉の祖父)
この作品における偏屈頑固オヤジの代表格。
TVシリーズでは重要なキャラだったと思う。
ドラマにおけるテーマに「“廃れてゆくもの”と“流行”」
「“自然”と“文明”」といった対比があるが、
まさにその「古きもの」の象徴的人物。
東映時代劇黄金時代のスター、大友柳太郎さんが凄みを爆発させて演じた。
個人的にか~な~り好きなキャラです。(でも忘れられがちだよね…)
「あいつ」とは愛馬の事。
純と雪子が吹雪の中で遭難したのを救った事もある馬だ。
だが文明社会になるにつれて不必要になってしまい、
ついに売り渡してしまった時の悲しみ…。
「見たらな…涙流してやがんのよ…」
「あいつだけがオラと、苦労をともにした…」
こういったシブくて重厚なシーンが、最初のTVシリーズの真骨頂であった。
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<い>「いつでも~、富良野に帰ってくんだぞ!」
(『'95 秘密』)
初期はあんなに可愛かった蛍。
「蛍はずっと父さんの側にいる!」な~んて言ってたくせに、超恋愛体質。
『'95 秘密』では妻子ある男と駆け落ち!
母・令子や叔母・雪子と同じ血脈を見せつけた!
そんな蛍。父・五郎や兄・純にはクールに振る舞う。
だが五郎は優しい愛で蛍を包む。
「いつでも富良野に帰って来ていい」という五郎の叫ぶ声を聞き、
途端に罪悪感で自らを責めてる事実を吐露。涙があふれ出すのであった。
そして五郎は、蛍の駆け落ち相手に新巻鮭のプレゼント!
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<う>「ウチは今、大騒ぎだ~!」
(『'98 時代』)
勇次(緒方直人)とも別れ。駆け落ちした医者とも別れ。
色々あった蛍だけど、草太の策略もあって、無事に正吉と結婚する事に。
結婚報告後、正吉の母を交えて酒盛り。そこへやって来た、
五郎の農業の弟子的存在・完冶(かんじ)の嫁。
「ウチは今、大騒ぎだ~」とパーティ参加を促す!
大正漢方胃腸薬CMのような華麗なダンスを見せる五郎。
が、このドラマでは「ウキウキ状態→暗い出来事」のパターンが定番。
完治嫁は号泣中!!どうやら夫が行方不明!!
いきなり笑顔から切ない顔になる五郎!
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『北の国から』はホントこのパターンが実に多い。
ウキウキしたパーティがいきなり空気悪くなって、
で、何らかの問題が起きちゃうという…。
TVシリーズの時からずっと!五郎の誕生日の時もそうだった…。
(大体、草太が騒動を収める役を担う)
「今夜はあったか~い大晦日だ!」と、
五郎がワクワクノリノリだった時なんて凍死寸前の大惨事…。
トド(唐十郎)と大宴会した時も、
その最中で中ちゃんの奥さんの訃報が入って来るし…。
このパターンのせいで、ストーリーもぶったぎり!
トドと五郎の語らいのシーンがまったく無く、
視聴者にとって不親切な演出…。
「遺言」はそういった点でも、何かイマイチ…。
でも唐十郎がアングラ劇団仕込みの、
強烈な前衛舞踏を見せつけたトド鍋パーティーのシーンは笑った!
劇男・一世風靡の平賀雅臣団長&一世風靡セピアの春海四方を従えて、
奇っ怪に踊りまくる!視聴者置き去り!
一世風靡の面々はこのシーンのためにキャスティングされたのか?
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<え>「えれえ話をしていると思った…」
(『TV 13話』)
初期純くんの魅力は「マセガキ」というトコ。
いつも真顔で大人の会話してて、そのギャップが実に面白かった。
母・令子(いしだあゆみ)の不倫相手であり、
再婚をしようとしているのが吉野さん(伊丹十三)。
その吉野さんと「おまえの母さんを貰っていいか?」といった話をする純くん!
思わず「えれえ話をしている…」とビビるが、堂々と渡り合うのがステキ。
母が病気で入院し、その見舞いで訪れた東京。
そこで吉野さんと初対面して色々と話をするのだが、
吉野さんのストレートな男気に、
「僕はこのおじさんを嫌いではなく…」と、男として共鳴していく様もたまらん。
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<お>「お前の宝にしろ」
(『'87 初恋』)
純が中学卒業後、就職で上京する事に。
五郎がツテを頼って依頼した長距離トラックに乗せてもらう事になる純。
無愛想でまったくしゃべらない運転手。
その役を演ずるのは古尾谷雅人!
(『北の国から』はチョイ役に良い役者を使うパターンが多々ある)
れいちゃんから貰ったウォークマンで、
尾崎豊を聞きながら切ない気持ちになってる純。
そのイヤホンを強引に取って、
五郎から貰った謝礼のお金を純に返そうとする運転手。
「しまっとけ…ピン札に泥がついてる。お前の親父の手についてた泥だろう。
おらぁ…受け取れん。お前の宝にしろ。一生取っとけ。」
…五郎の不器用さ、誠実さに心打たれる!
無愛想な運転手がこのセリフを言うからこそ余計に響くのである。
あざといと言えばあざといけど、最高に泣ける名シーン!
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<か>「かあさんの匂いがしてる…」
(『TV 9話』)
北海道に行ってからは常に父寄りの蛍。なかなか母に心を開かない。
純が母(東京)寄りで、電話を内緒でかけたりしてるのと正反対。
蛍は母の不倫現場を目撃しているので、
憎悪を抱いているのではないかと思わせつつ、
随所随所で母に電話してみたりと、その想いを感じさせるシーンがある。
母・令子が内緒で富良野へやってきた。
五郎は「まだ早い」ということで子供たちと会う事を遠慮してもらう。
子供たちのいない間、蛍のパジャマを抱きしめる令子…。
その夜、何も知らない蛍は雪子おばさんに、
「母さん、来た?」「母さんの匂いがしてる」と察知するのだ。
蛍の母への想いが垣間見えるセリフにグッと来る。
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<き>「急に、涙が突き上げた。 ~ なぜだかわかりません」
(『TV 23話』)
母が他界。上京する純と蛍。
きたな~い汚れた靴を履いてる二人。
「新しい靴を買ってやる」と吉野さんに連れて行かれた靴屋。
そこで古い靴を捨てられてしまう。
だが…その靴には北海道で過ごした日々の思い出が詰まっていた。
葬儀が終わった夜、二人は靴屋に走る。古い靴を探しに行くために…。
一貫してたテーマの「失われてゆくもの」への哀惜が、
この靴のエピソードに比喩として表れている。
あと古い靴=五郎・北海道の象徴であり、
純は、新しい靴=東京よりも、古い靴=北海道を選んだ、とも言える。
靴屋のごみ箱をあさってる最中、警察官が。
「お前ら何やってんの?」と近づいてくるのだが、
その警官役に平田満!
母の死の事など、事情を細かに説明する純。
子供ながらのたどたどしい言葉を聞きながら、
その真っ正直な心を受け入れる警官。
「オレも一緒に探してやるから!」と、急に純と蛍を手伝う…。
それを見た純の目に、なぜか流れる涙…。何とも切ない!
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<く>「く…クマに遭っちゃった…」
(『'92 巣立ち』)
五郎、クマに遭遇!!っていうギャグシーン。
ストーリーとは一切関係ナシ!
(井戸を掘るために山奥まで行ってる五郎。
…という意味がある事にはあるんだが…)
たまたま通りかかった中ちゃん(地井武男)の車に逃げ込み、
「ヒッヒッヒッヒ…」と声にならない笑いを見せる五郎。
「く、クマに遭っちゃった…」
「く」の発音の口元が、最高に邦衛イズム爆発!
中ちゃん「髪の毛逆立ってたぞ~」
五郎「ヒヒヒヒヒ!…逆立ってかい?」
中ちゃん「髪の毛逆立つって、初めて見たぞ」
五郎「ヒヒヒヒヒ!」
中ちゃん「薄くても髪の毛って逆立つんだな」
五郎「ヒヒヒヒヒ!」
邦衛の「吸い込み笑い」が炸裂しまくり!
ワケわからんこのシーンですが、爆笑でした。
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<け>「健さんの目の前で、男の壁を越えた」
(『'92 巣立ち』)
純くん、童貞卒業!
初恋相手のれいちゃんとは、そういうトコまで行かなかったのね…。
初体験のお相手は裕木奈江。時の人気アイドルです。
奈江演ずるタマコは天然系キャラ。
なのに純くんに対し「映画が見放題のトコがある!」と言い、
何も知らないふりしてラブホに誘う!悪意あるわ~~(笑)
で、純くんは高倉健主演の『南極物語』を一緒に見ながらもムラムラ。
そりゃそうだ。奈江が体を密着させて来てるんだから!
「南極でも北極でもどこでもよかった!ここは渋谷の、円山町だった!
ぼくの神経は狂いそうだった!!」っていうセリフが最高ですね。
で、純くんが耐えきれず迫ったら泣き出す始末。
いい加減にしろよ!!
結局、健さん映画を流しっぱなしで性交に成功。
健さんの目の前で無事に童貞卒業!
『遥かなる山の呼び声』で共演した健さんの目の前で!
倉本作品と縁の深い健さんでもあるが、
まさかこんなカタチで『北の国から』出演を果たすとは(笑)
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<こ>「子供が、まだ食ってる途中でしょうが!」

(『'84 夏』)
これまた、チョイ役にイイ役者を使うパターン。
このシーンでは無愛想で殿様商売な、イヤ~なラーメン屋店員役に伊佐山ひろ子!
『'84 夏』は全作品で最も切ない回かも。
思春期前後の微妙な年齢を切り取ってて、な~んか心が痛くなっちゃう。
言い訳や逃げ口上ばかりで、何でも親友の正吉のせいにしたり、
純は自らの卑怯さを認識して悔いていた。
その事を閉店寸前のラーメン屋で五郎に懺悔。
泣きながら真っ暗い店で語るのが切ない。
それと対比するように、伊佐山さんの憎々しい芝居が炸裂(笑)
五郎もラーメン食いながら「父さんも、こっち来た当時みたいなパワー無くしてた」と、
純と同じくダラけてる自分を懺悔するのである。
(「っぱわぁ~」という独特な邦衛節回しは、何度もモノマネしちゃいました!)
で、伊佐山さんが横柄に支払いを促し、
食ってる途中のラーメンを強引に片付ける。

五郎の怒り、悔しさなどが「子供が、まだ食ってる途中でしょうが!」と、
八つ当たり気味に叫びとなって表れるのである。
虚しい~~空気が流れて、いたたまれない…。
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<さ>「さよーならー!1980年~!」
(『TV 8話』)
富良野へ越してきた一年目の大晦日。
テレビの無い黒板家。正吉の家へ「紅白」を見に行く純と蛍。
だがそこには母・みどりと祖父・杵次と共にくつろぐ正吉の姿があった。
それを見た純と蛍は正吉の家には行かず、そのまま帰宅するのであった。
一方、五郎も中ちゃん家を訪問するが、
そこでも親戚たちが団らんの真っ最中。こちらもまた遠慮して帰宅。
そんな双方が「じゃあ街の灯を見に行こう」と、
山へ行き「さよなら1980年!」とみんなで叫ぶ。
(邦衛の口調は「せんっ、きゅ~~ひゃく、はちじゅうねぇ~~ん!」)
五郎と純の心がここで初めて共鳴する、ターニングポイント的なアツいシーンでもある。
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<し>「死なないで生きてて下さいよ」
(『'84 夏』)
共同生活をしていた正吉と、別れの時…。
駅のホームで軽口を叩きあう二人が切ない!
あえてドライに、あえて大人のクールな振る舞いに、
別れの寂しさと悲しさを紛らわす…。
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<す>「スパゲッティってのはな、イタリアの料理だ。
スパゲッティ~~、イタリア~~ノ!」「ボンゴ~レ~!」
(『TV 20話』)
初期の五郎はストイックで、強く、時に怖い雰囲気だった。
倉本聰さんのイメージとしては、
『駅』の高倉健であり、『大都会』の渡哲也であり、
『前略おふくろ様』の梅宮辰夫、といったキャラたちと同様だったのでは。
不器用で実直な倉本キャラたち…。
そんな五郎が徐々に「邦衛」に浸食され、崩れて行く。
後半のスペシャル版の頃には崩れまくりだ!
富良野に来て初めての恋のお相手・こごみさんの登場で、
五郎が浮かれる。これが崩れて行く五郎の始まりだ!
「そそらそらそらウサギのダンス!」と踊ったり、
ピクニックに一緒に行ってウキウキし、
「スパゲッティボンゴ~レ~!」と絶叫!
純も蛍も思いっきり呆れ顔!
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<せ>「誠意って何かね?」
(『'92 巣立ち』)
文太、登場!!強烈なインパクト。まさかの裕木奈江の叔父役で!!
純がタマコ(奈江)との初体験以来、
だらしないセックスを重ねた結果、見事に妊娠…。
病院にタマコを見舞った純を有無を言わさず殴る一番星!
…じゃなかった、タマコの叔父さん!超ド迫力でしたねえ。
そして数日後、カボチャを持って上京した五郎は平謝りを敢行。
それに対して文太が「こっち側からは誠意に取れん…。
誠意って、何かね?」と優しく厳しく問いただす。
『仁義なき戦い』に変換すると広能と槙原。
槙原に迷惑ばっかりかけられてきた広能ですから、そりゃあ~信用できませんわな(笑)
しかもホラ吹きで定評のある槙原だし…。
ちなみに誠意とはもちろんお金の事。銭ゲバこと福留孝介選手も、
「誠意とは言葉ではなく金額」とおっしゃってます!
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<そ>「それは…違うんじゃないですか?」
(『TV 23話』)
このドラマにおいてドカン!と来るセリフを言うのは、
いつも清吉さん(大滝秀治)である。五郎のいとこで良き理解者。
倉本さんの一番言いたい事を、最も代弁してくれるキャラなのだ。
妻・令子の葬儀に遅れ、終了後はすぐに北海道へ帰ってしまった五郎。
それを責める令子の兄弟たち。
葬儀に出席した清吉は、黙ってその文句を聞いた末に発言する。
それは違う。五郎は冷たい男ではないのだと。
「恥ずかしいが…金がなかったんですよ。それであいつ…汽車で来たですよ。」
そんな清吉の言葉を陰で聞いていた純と蛍の胸にも、五郎への想いが去来する。
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<た>「だけど…僕の体質には、北海道は合ってないと思われ…」
(『TV 2話』)
北海道に来たばかりの純はいつも「東京に帰りたい」という一心!
五郎に涙ながらに「やはり東京が…合っていると思われ…」と独特の節回しで訴える。
※ちなみにこの倉本調セリフ。
『前略おふくろ様』でも多用されたが元ネタは画家・山下清のしゃべり方だとか。
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初期の純は「ここは僕の居場所じゃない」と思い続け、
周りの大人たちに反抗し、もがき続ける。
だがやがて色んな経験を重ね、北海道に居場所を見つけて行くのだ。
最終回では母の葬儀を終え、東京から北海道へ帰る。父の待つ北海道に。
汽車を降り、走り、父の元へ抱きつく。
これはまさに『機動戦士ガンダム』そのもの!
自分はず~っと『北の国から=ガンダム』説を唱えている。
スタート時期もほぼ一緒のこの作品、
アムロと純のうじうじさ→男としての成長、
何度もホワイトベース=北海道を抜け出そうとし、
ブライト=五郎に殴られ、反発しながらもがき、
やがて最終回の「帰る場所があるんだ」的なラスト。
非常~に共通項を感じる部分が多々ある。
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<ち>「近頃の若者と来たら…。死刑!」
(『TV 4話』)
雪子おばさんへの肩想いに浮かれる、草太兄ちゃんに向かって一言!
『がきデカ』の死刑をマネる二人がかわいらしい。
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<つ>「ついにご兄弟におなりで」
(『TV 21話』)
中ちゃんの会社で働く中川。
この中川とクマさんの二人は初期シリーズのレギュラーキャラ。
純と蛍の良き兄貴分であり、このドラマ内の「大人の世界」の住人だ。
スナックのホステス・こごみさん(児島美ゆき)と、
以前、遊びで付き合っていた中ちゃん。そのこごみの次のお相手は五郎!
それを目撃した中川からキツ~イ一言。
「親友がついにご兄弟におなりで。ニヤッ!」
このいやらし~く下世話な笑顔が最高である!
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<て>「電気が無い!?電気が無かったら暮らせませんよ!」
(『TV 1話』)
第1話!エネルギッシュ過ぎる五郎が強引に子供二人を連れて北海道へ。
そして廃屋を直して住むという強烈な力技を披露!
「電気が無い!?」と驚く純に、
「そんなことないですよ~」と返す五郎。
純「夜になったらどうするの!」
五郎「夜になったら寝るんです!」
純「寝るって…じゃあ勉強とか~!」
五郎「ランプがあります!いいもんですよ~!」と、
ゴーイング・マイ・ウェイっぷりを見せつける!
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<と>「ドキドキしていた」

(『'87 初恋』)
片想いの相手・れいちゃん(横山めぐみ)と会話に成功!
その時、急に雨が降り…、空き小屋に逃げ込んで二人っきり!!
雨に濡れたので上着を脱ぎ…。という夢のようなシチュエーション。
ここで二人は「尾崎豊ファン」という事で意気投合。
二人の関係は、両想いへと発展していく。
そんな純の心の声が「ドキドキしていた…」である。
そりゃ~~そうでしょう!
なんせこの時のれいちゃんの可愛さは神懸かり的。

「ドキドキしていた…」や「ドキンとした…」は、
倉本調ナレーションとして何度も多用されるセリフであるが、
やはりこのシーンのインパクトは大。
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<な>「涙が出る…。本当に涙が出る…」
(『'92 巣立ち』)
厳しい大工の棟梁役を、大地康雄が好演!
『巣立ち』のみの登場だったのが惜しい。
自ら井戸を掘って作った大浴場。
凍っていたお湯を温めに行った五郎。
アクシデントが起こって下半身に木材が落ち、身動きが取れなくなってしまう。
吹雪の夜ゆえに徐々に気温は下がり、絶体絶命のピンチが訪れる!
深夜、行方不明となってる父を探す純。
そこへ棟梁がやってきて山へと連れて行くと、瀕死の五郎が発見される…。
翌朝、棟梁のおかげで助かったと礼を言う純と蛍。
だが棟梁は表情を一切変えず、
「それは違うよ。オレのおかげなんかじゃない。」
「アイツは自分で生きたんだ。お前ら若いモンにこの真似ができるか。
お前らだったら、すぐあきらめとる。すぐあきらめて…とっくに死んどる。
アイツはすごい…たった一人で…。オイラ、涙が出る。本当に、涙が出る。」
と、淡々と語る棟梁。その目に涙が浮かび、
心からの五郎への敬愛がにじみ出る。
この芝居のウマさ!泣かされました!
個人的にシリーズ中でも1、2を争う感動シーン。
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<に>「二年半か…。儚い丸太小屋だったねえ~」

(『'84 夏』)
TVシリーズ後半から作り上げ、
最終回で完成した「夢の丸太小屋」だったが、この回で全焼!!!
倉本脚本おなじみの「アクシデント回」である。
こういったパターン多過ぎ!
でも五郎の不屈の魂、そして「DIY精神」は常に熱い。
文明の中ではなく自然と共に生きている人間だからこそ、
こうした不幸を受け止め、諦め、次に進む力を持っている。
涙を浮かべながら「儚い丸太小屋だったねえ…」と、
中ちゃんにこぼす五郎の切ない清々しさに泣かされる。
そして「一から出直しだぁ。また、やり直しだ」と、
達観したかのような言葉が胸に来る!
撮影では実際に丸太小屋を豪快に放火し、
『西部警察』ばりにド派手に燃やしてみせた。
杉田監督も「見事な火事!」と大満足だったとの事。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ぬ>「抜くなよ!」「抜くか、そんなもん!」
(『'83 冬』)
久々に再会した正吉。だが…彼はオトナになっていた!
「オレもう一本よ、生えて来たからよ、ちんぽに毛が!」
「え~~~!」と驚く純。
「見して見して!見してくれよ!」と懇願。
「もう一回!」「もう一回!」と、三回くらいリクエスト!
「抜くなよ!」「抜くかそんなもん!」
ってセリフはもしかしたらアドリブかも(笑)
「お前まだ全然?楽でいいよな~」と、勝ち誇る正吉であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ね>「寝ちゃダメ」
(『'92 巣立ち』)
吹雪の中、身動きが取れない五郎。そこへ現れる令子の幻!!
いしだあゆみさんがTVシリーズ以来の出演。
幽霊なのに老けてるのは許してね!
五郎は半ば、諦めかける。「もう純と蛍は巣立っていった。
オレなんかいなくてももう大丈夫だ…」と。
だが令子は「まだダメ…。あの子たちにはまだあなたが必要…」と言い、
五郎に勇気を与えて消えてゆくのだった。
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<の>「農家に久しぶりに嫁に来てくれることを、
あんなに喜んではしゃいでるあいつら見て…、
ワシそれ見てね…、何も、言えんかった!」
(『'92 巣立ち』)
長セリフの「の」。
要するになかなかイイセリフが見つからなかったのです…。
雪子への片想いを諦め、アイコ(美保純)と結婚する事になった草太。
アイコは妊娠中の身重だというのに、
超ド派手な結婚式を屋外の大平野で開催する青年部の面々!
(農村青年部の面々はガッツ石松、小松政夫、笹野高史といった濃いメンバー)
父・清吉(大滝秀治)はひたすら来賓客に、
「すみませんね~。バカで!本当にバカで!」と、バカ連発!
妊婦をトラクターに乗せ、何やかんややってたら転落。
そして流産という結果に…。
アイコを見舞った五郎。
アイコは「おじさん…草ちゃんを慰めてやって…」と、自分の事より夫を心配する。
そして清吉は「あのバカ!こういう結果になる事は誰でもわかる…」と言いつつも、
このド派手でバカな結婚式を止められなかった、
何も言えなかった…と涙と微笑が混じった声で言う。
大滝さんの味わい深い芝居。それを聞く邦さんの顔もたまりません。
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<は>「バスかい?」
(『'98 時代』)
正吉と蛍の結婚式当日、草太が手配したリムジンが到着!
それを見た五郎の一言。「…バスかい?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ひ>「人のいいのも、いい加減にしろよ!」
(『'87 初恋』)
TVシリーズの初期から『夏』『初恋』くらいの五郎は、ギラギラしててピリピリしてた!
キレやすい性格というか…。(その後、性格崩壊!)
あまりにもお人好しなレオナルド熊に対し、
「人のいいのもいい加減にしろよ!あいつはアンタに何て言ったんだよ!」と大絶叫!
顔のひん曲がりっぷりが、ザ・邦衛!
散々迷惑かけられた相手に救いの手を差し伸べるレオナルド熊。
それは優しさというより、単に馬鹿…。
叱責された時の表情が最高過ぎる!石倉三郎にツッコまれた時のような顔。
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<ふ>「富良野が誇る往年の番長が、ズラッと四人揃ってた」
(『'89 帰郷』)
東京での荒んだ生活に疲れ、富良野に帰郷した純。だが髪の毛の色が茶髪に!
五郎は草太に「お前、こういうの慣れてるだろ?」と、
何とかしてもらう事に。そこでシンジュク(布施博)、
新吉(ガッツ石松)、クマさん、草太がズラリと集合。
純が起床したらこの連中がニコニコしながらズラリ。
雑談をしつつ純に油断をさせといて、唐突に捕獲!
すぐさまガッツが髪の毛を掴み、「剃るか!黒く染めるか!」と迫る!
そして強引に黒く染め上げるのだった。
ギャグ的なシーンだが実に素晴らしいシーン(笑)
この四人の顔を並べたTシャツが欲しいくらいだ!
そこに「Paint it Black!」って書いて、ローリング・ストーンズ風のカッコイイデザインで。
ぜひとも公式グッズで出しとくれ!
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<へ>「ヘナマズルイ」
(『TV 5話』)
偏屈ジジイの杵次を「ヘナマズルイ!」と評する中ちゃん。
この地域の方言だそうです。
三段階評価で最上級の性格の悪さを表すお言葉!
※ズルイ→ナマズルイ→ヘナマズルイ
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<ほ>「骨までしゃぶるか~っ!」
(『'98 時代』)
「チョイ役に良い役者パターン」がまたしても炸裂。平泉成の登場だ!
経営者として暴走する草太。麓郷の農家をしきりまくり、
借金を出した若き農家を責めまくり「ここから出て行け」と言う。
飲み屋で純に「オレに協力しろ」と頼む草太。
だが「最近の草太兄ちゃんは間違ってる」と拒否。
そこへその農家の知人のオッサン(平泉成)が表れ、草太に怒声!
「大したもんだ!」「失敗したら、骨までしゃぶるか~!」とキメる!
夜逃げした農家の土地をゲットし、
ついでにトラクターを安価で売り捌いた草太への皮肉である。
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<ま>「豆~!ま~め~!マ~~メィ~~~!!」
(『'83 冬』)
名優・笠智衆演ずる沢田松吉の凄まじきシャウトが雪原に響き渡る!
鬼気迫る芝居に戦慄しつつも、ドアップの時には笑ってしまう!
それくらいスゴイ場面である。
五郎の父や杵次と共に、麓郷を開拓した伝説の男。
それが沢田松吉!「東京で事業家として大成功し、
このたび富良野へ帰って来た」という事で大歓迎パーティーを開いてもらう。
その席で歌う『あざみの歌』の哀愁がたまらん。
だが松吉さんは実はボケていた。
富良野で女遊びをしまくって借金まみれになり、東京へ逃げたというのが真実。
借金を背負わされた五郎に対し「ワシが金を出してやる」と豪快に言い放つが、
孫の風吹ジュンに「そんなお金なんて無いの!」と、真実を叫ばれて呆然とする。
その時の表情が絶妙過ぎる!ホントにボケてるのでは…という素晴らしき表情。
孫にそんな事を言われた松吉は、
「富良野にまた豆景気を起こす!」と胸のエンジンが点火。
かつて豆で一財産を得た過去がフラッシュバックして、
雪原に飛びだして豆を撒き始める…。
幻の中で畑一面に広がる豆を見てエキサイトする松吉!
突然「マ~~~メ~~~~!」とシャウトするのだった…。
怖過ぎるわ~~。その後、この人がどうなったのか、
よくわからんままドラマは終わっちゃうし。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
<み>「宮沢賢治!」
(『TV 2話』)
第一話から登場する、愛称・クマさん!
中畑木材の従業員であるが、いつも五郎のために協力。
結構、身を削ってると思う…。
コワモテフェイスだが穏やか。
いつも冷静な視点で物事を見つめる男。
初期・北の国からに欠かせないキャラである。
彼がいないと寂しくてしょうがない!
そんなクマさんは純や蛍の良き兄貴分。
作業中、唐突に「ぎんがぎがの~」とつぶやく。
純に「何ですか、それ?」と聞かれ、「宮沢賢治」とニヤリ。…教養のある男!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~
<む>「昔の事、消せるケシゴムがあるといい…」
(『'95 秘密』)
「'95 秘密」で初登場した、純の新恋人・シュウ。
演ずるは90年代を代表するアイドル女優、宮沢りえ!
異常なまでの甘えボイスとアンニュイさで、
浮世離れしたキャラになっちゃってるシュウ。
杉田監督の濃いこだわりが如実に表れているかのよう!
宮沢りえといえば絶頂期にヌード写真集を出し、
貴乃花との婚約→解消騒動、激ヤセなどなど色んな過去を持ってる人である。
そんな宮沢りえ本人の持つ過去と、シュウの持つ過去がオーバーラップするかのように、
作中で「過去=秘密」が大きく重い物として響いてくる。
シュウにはAV女優をしていた過去があり、
知った純はレンタルビデオ店にて探し出し、
(当時、北海道にあったサンホームビデオ!)
ショックに打ちひしがれるのだった。
以降、ギクシャクする純とシュウ。
シュウの事を気に入ってる五郎と、五郎を心から敬愛するシュウ。
シュウは「昔の事を消せるケシゴムがあるといい…」とポツリ。
やがて五郎とシュウは温泉に行き、そこで改めて言葉を聞くのだった。
「昔の事がね…引っかかってるみたい。私の、人に言いたくない昔の事…。」
人に言いたくない昔の事…。それはもしや『ドリームラッシュ』の事ですか…?
あの凄まじい歌唱っぷりこそ消したい黒歴史かもしれんな…。
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<め>「メロメロドラマじゃないですか?」
(『TV 6話』)
ガキの頃の蛍と純はやたらマセておるのが特徴であり、
そこが微笑ましいトコでもある。
草太の雪子おばさんへの片想いを、
すべて理解&把握したうえで高見の見物をして楽しむ。
「これはメロドラマですねえ~」とニヤニヤする蛍。
「メロメロドラマじゃないですか?」と返す純!
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<も>「森の妖精」
(『'98 時代』)
すったもんだがあったもののシュウの過去を受け入れて、
「'98」ではうまく行ってた二人。
そんな二人が行ったラブホテルが「森の妖精」である!
もちろんホントにあるホテルです。
タイアップではないだろうけど堂々たる宣伝っぷりが最高。
http://www.love-yoogle.jp/a/p011_i31661.html
コンテナ的な各部屋が並ぶ、田舎の郊外にありがちなタイプ。
純とシュウは満室が開くのを待ち続けるのだった。
田舎はヤる事が少ないからラブホだけは大盛況なのか…。
ちなみに「'98」ではシュウの父親として、室田日出男が登場!
満を持して出て来た倉本ファミリーの一員だ。
邦衛とは『仁義なき戦い』の槇原&早川の関係でもある。
だが絡みはナシ。残念…。
(※参照=「ファイターズかるた」)
純がシュウ家を訪問した際に、ブルックスのホームランに興奮する珍シーンについて。
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<や>「やるなら今しかねえ~」
(『'92 巣立ち』)
『北の国から』全シーンを通してもトップクラスに有名な名シーン!
丸太小屋を自作しようとした五郎だが、
純が裕木奈江をはらませてしまい、その代償に「誠意」としてお金を払った。
その金は丸太を全部売って作ったもの。
丸太を失い、今度は捨ててある石を作って家を作ろうとする五郎。
さらには「自分で井戸を掘る」とメチャクチャな事を言う。
中ちゃんに「無理だ!」と心配されるのだが、
突然「ぃやぁるなら、今しかねぇ…」と五郎に詰め寄られる!これは怖い!(笑)
すっげ~顔で絶叫しまくり、思わず素の地井武男が笑いを噴き出しちゃうほど。
「大正漢方胃腸薬」の時の「カンポカンポダンス」のように、
歌いながら踊る五郎!!
「知らんべな中ちゃん!遅れてるもな!な、ながみぞ、つよしだ!」
東京のラーメン屋で流れてた、
長渕剛の『西新宿の親父の唄』に激しくインスパイヤされた五郎の熱いシーンであります。
それにしても五郎の「DIY」っぷりはスゴイ。
「Do It Yourself!」と書いた五郎のTシャツを公式グッズで出してもらいたいもんだ。
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<ゆ>「UFOだ!」
(『TV 14話』)
純くんにとって色んな事が起こる時期。
母が病気になり見舞いで東京に行ったり、思春期で性の目覚めを感じたり。
この日の夜、純は正吉と共に出かける。
農家の若い嫁が夜な夜な「変な声」を出してるのを聞きに行くために!
五郎には「星の勉強をしに行く」と嘘をつく。
だが蛍がついてきてしまう。
いつの間にか山の辺りにまで来てしまう三人。
すると突然空が光って…!
「UFOだ!!」と叫んだ三人は謎の光を追いかける。
まったくもってワケわからんUFO騒動!!
ここだけやけにSFチックで、これと言った回答はナシ。
倉本さんがこういった超常現象にハマってたのだろう…。
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<よ>「四畳半号」

(『TV 18話』)
みんなでいかだ下り大会に出場!
中ちゃん家は木材屋だけあって、立派ないかだで登場。
その名も「四畳半号」だ!
五郎の作ったいかだは脆そうなので、純、蛍、雪子はトンズラ!
スネる五郎は、つららの兄・吉本辰巳と共に、
男二人で「返せ!北方領土号」に乗り込む!
実際に行われたいかだ下り大会にキャスト本人がガチ参加したこのロケは、
ところどころで素の表情が見れたり、ニュース映像的な感じにもなっている。
五郎はここで恋のお相手・こごみさんと出会うので結構重要な回でもある。
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<ら>「ラベンダーなんか見ていなかったんだ…」
(『TV 17話』)
正式に離婚が決まった五郎と令子(いしだあゆみ)。
最後の思い出作りのため、令子は富良野へやって来る。
でも何とな~く重い雰囲気…。そりゃそうだ。
「本当の事言うと胸がいっぱいでラベンダーなんか見ていなかったんだ…」
という、純くんの切ない気持ちが痛々しい…。
富良野のラベンダー畑(ファーム冨田)は自分も行った事がありますが、
観光シーズンだったので人だらけ!
せっかくいしだあゆみのマネして写真を撮ろうと思ったのに。
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<り>「涼子先生…どこにいるんですか?とっても先生に会いたいんです」
(『TV 24話』)
原田美枝子演ずる涼子先生。とっても素敵なキャラクター。
個人的には『北の国から』内のアイドル!
一番好きな登場人物かもしれない。
まあ『北の国から』なので、平和なキャラではいられないのですが…。
(都会の進学校で教師をしていた頃、生徒が自殺するという事件を経験)
涼子先生のとってもアンニュイな雰囲気。
そしてゆる~い授業っぷり。生徒と共に遊ぶ無邪気さ。
東京から来たばかりの純は「どうなってるんだ、この先生!?」と、
涼子先生のスタイルについて行けず、もっとちゃんとした勉強をしたがる。
やがて純も富良野の生活に慣れて涼子先生になつくようになるが、
やがて小学校が統廃合されてしまう。それを機に涼子先生も転任してしまった。
涼子先生がいなくなった事を知って呆然と、喪失感にさいなまれる純。
その後、母の葬儀のために東京に行った際、かつての担任の先生に遭遇。
その先生は「勉強はどうだ?」「成績は?」と、そんなハナシばかり…。
「寂しかった…。何がかわからない。」
「この先生を昔、好きだった。だけど今、先生が違って見えた。
きっと先生が変わったんじゃない。僕の方が変わったんだ。
…先生。涼子先生。どこにいるんですか。とっても先生に会いたいんです…。」
このセリフは泣けた!
涼子先生との想い出のシーンと共に純のナレーションが響く。
純が都会でのガツガツした暮らしから、
北海道でののんびりした暮らしに純が染まっていった事の証である。
そして北海道の生き方を選んだ証でもあるのだ。
結局、涼子先生とは切ない別れ方をして、
その後も会えずじまい。ず~っと登場してなくて、
ファンとしては再登場を期待していたのだが、
『2002 遺言』でついに復活!感動の再会を果たすのだった。
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<る>「る~るるるる~」
(『TV 24話』など)
『北の国から』といえばコレ!
キタキツネを呼ぶ時の「る~るるるる~」という声だ。
邦衛のモノマネをする時にも多用されるセリフの一つ。
蛍はキタキツネを餌付けしてたけど、実際はエキノコックスも怖いので、
あんまし近づいたり触ったりしない方が良いよ!
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<れ>「レコードがかかってる!」
(『TV 4話』)
東京で暮らしていた時の回想シーン。
母・令子の仕事場である美容院へ、五郎と蛍がウキウキで遊びに行くのだが…。
ここでも『北の国から』の法則が発動。
そう!ウキウキしてる登場人物をどん底に突き落とす法則である!
美容院から流れてくるのはハイファイセットの『フィーリング』。
「レコードがかかってる~!」と蛍。
そしておもむろにドアを開け、令子を驚かそうとする二人。
だがそこには、情事の直後の令子が…!
不倫を見られたら…、あなたならどうする!
泣くの?歩くの?死んじゃうの?
http://www.uta-net.com/song/286/
…思わず蛍の目を隠し、逃げ去る五郎であった。
不倫ソングである『フィーリング』が虚しく響く…。
結果的にこの不倫を許せなかった五郎が、子供2人を連れて北海道へ行く。
蛍にとってもこの目撃はトラウマであり、ず~っと脳裏に残っていた。
なのでしばらくは母から心が離れていたのだ。
でも蛍は「'95 秘密」で不倫…。母親の血を引いちゃってましたね…。
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<ろ>「麓郷の事はみんな忘れた」
(『TV 21話』)
松田美由紀演ずる吉本つらら。
個人的には『北の国から』で最も切ないキャラだと思う…。
草太の恋人として登場するが、
草太は東京からやって来た雪子にアッサリと一目惚れ!
わかりやすさ爆発で雪子への想いを堂々と発散する草太!
そしてないがしろにされていく、つらら…。
つららは純粋で天真爛漫で、純や蛍とも同じ目線で遊べる女の子。
ドラマ内では「大人」ではなく「子供」の部類のキャラだ。
(草太も同様に「子供」キャラ。雪子はやや大人)
つららは草太に捨てられる事で、平和だった人生が思いっきり変わってしまう。
突然失踪し、やがて清吉によって札幌で発見された時には、
トルコ(ソープ)嬢になっちゃってた。
そして純と雪子と久々に再会し、
「麓郷の事はみんな忘れた…。もう昔の事。遠い昔。」と、
都会での優雅な生活を謳歌してる事を告白する。
(純には「ファッション関係の仕事」と言い、
「わお!どうりで垢ぬけちゃってると思った!」と言わせる)
「農家の暮らしは素晴らしくそれが人間の本来の姿だと思う」
と言いつつも「私はもう戻らないですけどね」と、
田舎から都会へ逃げる生き方もある事を倉本さんは教えてくれる。
そんなつららさんですが、実生活では既婚の松田優作の不倫によって恋を結び、
いわゆる略奪婚をしちゃったわけで、つららさんとは正反対!
現在息子さんたち(松田龍平、松田翔太)が大活躍!何よりでございます。
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<わ>「私の帰る場所、無くなっちゃった…」
(『'83 冬』)
これまた哀しい女、笠松みどり。
正吉の母親であり、五郎の幼馴染み。
あっけらかんとして、啖呵を切るタイプの男らしい女性。
いつも父・杵次とケンカをするが、性根の優しいお方である。とっても魅力的。
NHK朝ドラのヒロインとしてブレイクし、
新人時代に紅白歌合戦の司会までした女優だ。
(近年の松下奈緒とか堀北真希とかの先駆け)
令子の事で五郎を責める草太を叱りつけたり、
杵次の葬儀で清吉の言葉に切なそうな表情を見せたり、
みどりの存在感はなかなかに大きい。それは林さんの芝居の凄みでもある。
『'83 冬』では借金を負って逃げてしまい、
その保証人を五郎に頼んだ事で、五郎が借金を丸ごと背負わされる事になる…。
五郎がものすっごく迷惑をかけられちゃうのである!
ただでさえ正吉の養育もやらされてるのに!
中ちゃんは激怒。みどりは「富良野から出て行け!」と追い出される。
夜、ひっそりと去ろうとするみどりを呼び止める五郎。
「もう来れない。裏切ったんだもん。もう故郷じゃない…」
「私の帰る場所、無くなっちゃった…」と嘆くみどりに、
「そんな事言うなよ」「故郷はここだよ。いつだってあるよ。
そして「金の事なんてもう忘れろよ。」と言うのだった。
「五郎ちゃんは何でそんなに優しいの…」と泣くみどり。
そして流れる中島みゆきの『異国』!!たまらん。
…五郎の持つ器の大きさに泣かされる!
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<を>「男は、誰だって、何と言われようと…、戦わなきゃいかん時が、ある」
(『'89 帰郷』)
これまた超有名な感動シーン!
東京生活で心も体も傷ついた純が富良野に逃げ帰る…。
そこで五郎の大きさ、凄さを改めて実感する。
『'87 初恋』では純が反抗期を迎えたが、
ここから純は一気に五郎イズムに染まっていく。
五郎と純の気持ちが似てきて、通じ合うようになるのだ。
(逆に蛍は、あんなにパパっ子だったのに離れて行く…)
風呂に入る五郎。外で薪をくべる純。
純は東京での様々な事を涙ながら告白。
五郎がくれた泥のついた一万円札を同僚に盗まれ、そいつを殴ってしまった純。
傷害事件を起こしてしまった。純はその一万円の事は言わず、
「大事なものを盗られたから…」と言う。
それに対し、大きい器で受け入れる五郎!
「なら仕方がないじゃないか。男は、誰だって、何と言われようと、
戦わなきゃいかん時が、ある…」淡々と、かつ力強い田中邦衛の芝居が胸に迫る。
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<ん>「ンだべな!いるべな!周りがほっとくわけねえもんな!」
(『TV 5話』)
雪子に一目惚れした草太。
純に「コレ(親指を立てて)、いるのか?」
「いたみたいですよ」とサラリと答える純。
「ンだべな!いるべな!」と、
北海道弁丸出しで残念がる草太であった…。
岩城滉一の大げさな北海道弁はなかなか良い。
でも我々道産子から見ると、一番北海道弁がうまいのは、
中ちゃんの奥さん役の、日活出身女優・清水まゆみさんだ。
調べてみたら北海道人だった。やはりネイティブだったか!
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以上。北の国からかるたでした。最初に思いついてから2年以上かかったネタ…。
でもまだまだ書ききれない名セリフがたくさんあるので、いつか続編を!
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ありがとうございます!読んでいただけて感謝です!
CS放送で年末年始の連ドラに始まり、
毎週末にスペシャルを一本ずつ、
本日遺言の視聴を終わりました。
全篇を振り返れるようなサイトを探してたら見つけて、
あ~んまで一気読みしました。
メジャー(?)シーンのみならず、
ありきたりのまとめサイトでは
あまりお目にかからないナイスシーンが盛りだくさんで
感動しました。
完成から随分遅れての拝読でしたが、お疲れ様でした!
所々笑いありで面白かった
また読みに来ます
コメントありがとうございます、管理人でございます。
ご覧頂いて「感謝感謝感謝!(五郎口調)」でございます。
これ以外にもまだまだ名セリフ、名シーンがありますよね。
飲み屋でダラダラとファンと語りたい…けどそんな友達がいない…と思いながらこのネタを書きました(笑)
なので嬉しい限りでございます。改めてありがとうございます!
コメントありがとうございます、管理人でございます。
嬉しいお言葉ありがとうございます。
ぜひぜひまた読みに来て下さいませ!
私の子どもが大きくなったのでレンタルで全シリーズ見せてみたらはまってくれて、今こんなドラマないよねーと感動していました。
とても、良い時間を過ごせました。また見返そうかと思っております。
コメントありがとうございます、管理人でございます!
改めて見るたびに染みてくるドラマですよね。
親子二代で楽しめるなんて、素敵過ぎます!
何度も何度も再放送してほしいドラマですよね。
自分もまた見返したくなりました。
さいこぉーだぁぁ~(田中邦衛調)
<あ>「あいつがオラに…何、言いたかったか。
…で始まり、
<お>「お前の宝にしろ」
<か>「かあさんの匂いがしてる…」
…で、涙がこみ上げ、
<け>「健さんの目の前で、男の壁を越えた」
…で、ずっこけて、
<な>「涙が出る…。本当に涙が出る…」
…で、もういちど泣いて、
<や>「やるなら今しかねえ~」
…で、心機一転!
このかるた、良くできすぎです。
すぐ商品化してもらってください(笑)
『北の国から』は…男くせえドラマなのだ!単なる「家族愛の感動ドラマ」ではないのだ!
↑↑↑まったく同感です、ありがとうございました↑↑↑
コメントありがとうございます!
見ていただき、更にお誉めもいただき、嬉しい限りでございます。
セリフを思い出すたびに泣けてきますよね、ホント。
自分もこのかるたを実際にプレイして楽しみたいです!